野良猫みたいに生きている(PRO

交通違反の罰金が払えず労役90日→労役終了後3ヶ月間ホームレス生活→その後色々の備忘録

労役と刑務所内での歯科治療

5月31日に労役でM刑務所に収監されるにあたり ひとつ温めていたアイディアがあった。

 

90日の労役期間中に刑務所内で歯科治療を受ける事。

 

国保の支払いも滞納していたし、当然 歯医者に通う金もなかったので この機会に治療を受けたかった。

 

たしか「紀州ドンファン」という本の中でも 

 

 

登場人物が刑務所内で歯科治療を受けたエピソードがあった(と記憶していた)ので この機会に是非!と考えていたのだ。

 

6月は刑務所の生活に慣れるのに忙しかったし、刑務官が怖くてなかなか医務受付を申し出る事が出来なかった。

 

7月になって心に余裕が出てきたので火曜日 医務受付の時に申請する事にした。 

 

M刑務所は毎週 火曜日が医務受付で水曜日に医師が巡回で診察に来る。

 

いつもの様に労役の仕事が開始されて間もなく

担当先生が銀色のステンレス製のワゴンを押して各部屋を回ってくる。

(ワゴンにはちり紙、歯ブラシ、歯磨き粉、

各部屋の懲役、労役からの願い事をメモする大学ノートなどが積んである)

 

「2室 願い事。ならびに本日医務受付。1席から」

 

因みに今の2室は俺が1席。

 

「はい!77番猫田です。歯が痛くて我慢が出来ないので歯科治療をお願いします!」

 

「分かった。次っ2席」

受付完了。

 

明日 やっと歯医者だ。

歯科助手は女性かな?

何より この退屈な作業から抜け出せるのが楽しみだな。

 

しかし 翌日。

午後の作業中 名前を呼ばれて見ると

あれ?いつもの医務先生だ。

 

この人 虫刺され から高血圧から 前立腺から

何でも診療するな。

もしかして 歯の治療もこの先生がすんのかな?

 

「77番 来て」

「称呼番号 氏名」

「虫歯ね。口開けて」

「労役何日?」

「来月末までね。鎮痛薬出すから 食後に報知器押して先生からもらってね。」

「はい以上」

 

全て鉄格子越しの会話。

 

これでおしまい。あんまりだぜ。

 

後日、同室のサギミヤが虫刺されの診察を受ける時(たまたま休憩時間だったので)

歯科の件を改めて先生に聞くと、

 

1.000人を超える受刑者が居るM刑務所は歯科治療の希望者が多く 常に順番待ち との事。

 

仮に診察を受付したとしても 治療の順番が労役期間中に回ってくるか 分からないよ…との事だった。

 

世の中そんなに甘くは無い。

税金で歯科治療とか甘くない。

この刑務所は無期.10年以上の長期が受刑者のほとんどだし当然だ。

 

結局 歯医者は8月末の出所後、生活が落ち着いた10月から通っており、虫歯治療、抜けた奥歯のブリッジ、親知らずの抜歯など週イチで未だに治療中(2018年3月22日現在)だ。