2017年5月31日より労役でM刑務所に収監されている。
当然 世間から隔離された状態にある。
外の(娑婆の)出来事は
18時に流れる(編集された正午の)NHKニュースを聞くことで知ることが出来し、
夕方に回覧される読売新聞を読むことで
(1人15分)プロ野球の結果を知ることもできるし、
新聞紙面下、週刊誌の広告でゴシップを知ることも出来る。
(当時は「このハゲー」の一件や「松居一代」が女性誌の見出しによく出ていた)
それでも面会が無いと家族の安否を知る事は出来ないし、逆にコチラの近況を知らせる事も出来ない。
俺の場合、母親は統失でアレだけれど
やはり離れて1ヶ月過ぎると高齢だし、心配だ。
ここはひとつ 刑務所の中から葉書を出そうと考えた。
収監される時に 書類に家族構成を書いて出してあるし 何の問題無いはずだ。
労役だし…
例によって 朝の「願い事」の時に担当先生に申し出た。
担当「2室 願い事 1番席からっ。」
俺 「77番猫田です。母親に葉書を出したいので葉書をお願いします!」
担当「それは罰金を払うための借金の申し出か?」
俺「い、いえ 近況報告です」
担当「近況ぅぅ?」
俺「あ、あの母親は高齢なものでして…その (しどろもどろ)
担当「ガンセン書いて 明日の願いごとの時に出して」「次っ!2席」
ガンセン→「願箋」と書く。
こんな言葉初めて聞くが 刑務所内では頻繁に使う。
何か刑務所に願い出る時は 何でもかんでも
「願箋ガンセン」を書いて提出する規則だ。
今回の様に 領地金(刑務所に入る時に持ってきた所持金)から葉書を買う時は
「特別購入願箋」(←うろ覚え)
を書く。
担当先生から願箋をもらい
夕食後の自由時間に報知器のボタンを押し 巡回の刑務官に
「77番猫田です。購入願箋に記入したいのでボールペンを貸してください!」と頼み、
自分の称呼番号(しょうこばんごう)、氏名、葉書の枚数、
そして「母親に安否近況の報告」と記入した。
記入後 再び報知器を押し 刑務官に
「77番猫田です。ボールペンありがとうございました!」と返却する。
いちいち面倒臭い。
そして翌日朝の「願いごと」の時間に
改めて担当先生に葉書の購入申し出て やっと願箋が受理された。
いやはや超面倒臭い。
続く