「クサい飯」と人は言うけれど
少なくてもM刑務所の食事は腐ってなどいないし、
むしろ美味かったと記憶している。
「臭い飯」理由は換気扇がない和式トイレ(水洗)が部屋の中にあって
扉の開け閉めの度に猛烈なアンモニア臭が襲ってくるからだ。
(と出所後にネットで見て たしかに!思った)
もちろん すべての食事が美味かった訳ではない。
ちょっと苦手で慣れるまで時間がかかった献立もある。
お汁粉とコッペパンの組み合わせ
(昼飯)と
きな粉(朝飯)だ。きな粉はご飯にふりかけて食べる。
定期的にきな粉ご飯を食べる人はいないと思う。
もちろん俺もだ。
しかしM刑務所では週2で 白米、きな粉、漬物、味噌汁のセットが朝食として出されていた。(と記憶している)
きな粉をご飯にまぶし お箸でかき混ぜて
食べる。ちょっと独特な味がして2週間ほど
食べられなかった。
少し甘みがあって「きなこ餅」の風味も感じたけど。ま、ザラザラ、パサパサだ。
昼飯のお汁粉(餅なし)とコッペパンの組み合わせは最初は抵抗あったものの
最後の方は美味く感じるようになった。
普段は餅なしだが月イチ(月末)だけ餅がつく。
10日毎に配られる献立表によると1日約1500kcal前後で作られている。
面白いと思ったのは 月末になると当月誕生日をむかえる受刑者には
「誕生菜(たんじょうさい)」なる追加メニューが用意されることだった。
・・その正体は「どら焼き」。
渡される時 刑務官に「人と分けないで自分だけで食べるように」と注意されるれしい。(2室ではいなかったけれど1室でブーちゃんが7月誕生日だった。犬山談)
朝は毎回ほぼ同じ献立の繰り返しだが イベント的な変化メニューがたまにあって
「ざるそば(コンビニで売ってるのと同じ)」があったり、
消費期限間近の非常食「栄養かん→ようかん」があったり、
毎食 量は少ないものの 飽きてきた頃に(刑務所側が)何らかの変化をつけてきて
常に献立表を見るのは楽しみだった。
(逆に変化メニューの無い時はがっがりした)