2020年の東京五輪に向けて都市鉱山(プリント基板)からメダルをつくる為に
携帯などの電子機器をリサイクルする啓蒙活動が行われています。
プリント基板から貴金属が採取される事は
広く知られているけれど
実際に何がどれだけ採れるのか?
約9年ほど前に(今はなき)勤め先で
社会実験したことがあったので
思い出しながら書いてみます。
電子機器やメモリー等の接点に金が使用されていることは もはや説明不要ですが、
これらか(主に)金を(あるいはオカネを)回収するためにはどうするか・・・。
①セルフ精錬を試みる。
②ある程度数量を集めて専門の問屋さんに買い取ってもらう。
③自分で(自社で)数量を集めて精錬業者に回収依頼する。
のどれかだと思います。
①セルフ精錬についてはネタで書いたので現実的ではありませんが、
動画サイトでは手順等が公開されています。
現実的で無い理由は
●使用する薬品の廃液処理の問題
●不要になったプリント基板の処分問題
●精錬した金の品位が証明できない。
(いわゆるホールマーク が刻印できない。金地金として流通できない?)
等が挙げられます。(大雑把ですが)
②ある程度数量を集めて専門の問屋さんに買い取ってもらう。
これが1番現実的。
プリント基板を集めて段ボール箱に梱包して保管、
ある程度集まったら業者さんに連絡して買い取ってもらう。
重量(kg)×単価(プリント基板の種類で異なる)+消費税でお金にする。
×な点は
×集めた基盤から貴金属がどの位回収されたか数字が見えない。
×業者さんによって買取額の幅がある・・・でしょうか。
買取業者さんは「数を集めて品質を整えて精錬業者に納める」のが仕事なので
この辺の単価は各業者によって異なると思います。
③自分で(自社で)数量を集めて精錬業者に直接回収依頼をする。
具体的な数量はプリント基板のみで最低300kg以上(だったはず)です。
1回に精錬する(ロット)数が300kgから・・と(当時)聞きました。
○な点は
○集めた基盤から回収された各貴金属の数量が数字で分かる。
○重量(グラム)×単価(金の相場)-精錬手数料+消費税で
納品から2ヶ月後(3ヶ月後だったかも)に銀行振込入金。
です。
×な点は
×基盤・接点のみ300kg溜めるのは手間暇(人件費)がかかる。
×集めた基盤を保管する場所(スペース)が必要。
×ある程度の品質を整えておく必要がある。
(精錬する上で不純物となるアルミ放熱板等は予め取り外しておく)
(屋内で保管する様に求められる→接点が雨に当たると微量ながら金が溶け出す・・らしい)
×納品から入金まで時間がかかる(精錬→分析まで時間がかかる)
です。
昔の話なので今現在とは事情が異なるかもしれません。
当時の分析表
392kgのプリント基板(メモリー、CPU含)から
金 77,6g
パラジウム 5,2g
銀 119,8g
銅 78g
が回収されています。
実際に電子機器から基盤・接点・などを取り外すのは相当な手間暇がかかりますが
ある程度「モノが集まる」環境ならば一度社会勉強で試してみても良いかもしれません。
上記以外でも勿論リサイクル活動に参加はできます。
各自治体で「回収ボックス」が設置されている所があるので不燃ゴミに出さずボックスに入れる事でリサイクル活動に参加できます。
なにはともあれ 限りある資源が有効に活用されれば幸いです。