雨降りの日曜日。
正午前、
部屋で自転車のタイヤに空気を入れていた。
不意に玄関のチャイムが鳴る。
俺、舌打ち。「また来たか…。」
オートロックなど無い安アパートなので
宗教の勧誘やら訪販業者の格好の餌食物件となっており
「週2周3」迷惑な奴らがピンポン鳴らしにやって来る。
居留守を使おうか迷っていると2度目のピンポンが鳴る。
俺、舌打ちしてドアを開ける。
身長160㎝程の小柄な初老の男性がニコニコしながら立っていた。
茶色のTシャツ、真っ青なブルージーンズ。
白いスニーカーを履いている。
日焼けした肌。
太ってはいないが がっしりとした体型。
白く短い頭髪には天然パーマがかかっている。
俺「おはよっす。」
男「おはようございます。わたし、あの、便利屋をやっている●●と申します。」
「廃品回収もやっているのですが 何か要らないモノ有りましたら…」
俺「あ、無いっす。んでは・・」
男「あの・・・何かありましたら 連絡下さい。」
俺が名刺頂けますか?と言うと ウェストバックをゴソゴソ探し
最後の1枚なんですよwと渡してくれた。
(※ラスイチって事は1セット分しか名刺作ってないのかな?)
「仲間」と一緒にトラックで回っていますのでよろしく…と言うと男は去っていった。
名刺には
「地球に優しく 人にも優しく」
資源回収のご用命はこちらまで
便利屋 ××商会
住所と携帯の番号が印刷してある。
許認可等の番号表記は無い。
一応、名刺の写真を撮ってEvernoteに保存。
便利屋とは家事手伝いや、その他雑用を連想する。
※俺が住む「S市」「便利屋」でGoogle検索すると45-50件ほどヒット。
しかし名刺を貰った便利屋さんの名前は無かった。
俺はこの分野に詳しく無いし、細かい事はぜんぜん気にしない性格だが、
資源回収を生業とする「便利屋」の存在は許認可的にどうなんだろう?
一般家庭からタダで回収したモノから
●中古品として売れそうなモノを輸出専門業者に売却し、
ミシン・オーディオ・ゲーム・楽器・家電・小電・自転車・バイク
(不動でも可→途上国で修理して使うから)
※ミシン、織り機、農機具など「稼ぐ機械は喜ばれる=高く売れる」
●有価物(鉄・非鉄・段ボール類)も数量を貯めてから街の問屋に売却し、
https://www.env.go.jp/recycle/yugai/conf/conf27-03/H280107_06.pdf
(環境省・廃棄物の定義)
●残ったゴミは便利屋さんの自己搬入で廃棄処理(有償)するのだろうか。
●流石に廃家電4品目
テレビ・冷蔵庫・エアコン・洗濯機はタダでは引き取りません
と言っていたが 逆に金を払えば引き取るのかよ!・・・とも受け取れる発言だ。
あるいは 7.8年程前、社会問題になった軽トラ回収業者が便利屋と名前を変えて再び暗躍し始めているのか?
・・・と思ったけど考えすぎだろう。
俺は全然素人だけど、世の中には細かい事でゴチャゴチャうるさい人間もいるので、
もしも俺なら
●一般廃棄物収集・運搬業許可を取るか
(個人事業者では無理っぽいけど自治体によっては認可取れるかも?)
● すでに許可を習得してる会社で働くかどちらかだな。
役所から許認可受けるには
●3年分の納税証明書
●役所発行の身分証明書
●登記されていない事の証明書
・・・等の書類を揃えるのが面倒臭いが、逆に許可さえ取れば
信用に繋がるし、堂々と仕事ができる。
※追記、
自治体の許認可受けた業者になったら、
回収したブツは自分で勝手に捌けない
(自治体との間で決めたルートで適正処理しなければならない)
ので、どのみち この手の回収屋さんに許可とか言うのは無意味な事なんだよな…と考え直す。
無許可営業で短期間に儲かる時代では無いと思うし、
(そういう時代も確かにあったけど あったと聞くけれど)
この手の取り締まりは年々厳しくなっているので
許可は無いよりあったほうが全然いい。
でも、普通は自分でリサイクルショップに売るか、
メルカリ、ヤフオクで売るかどちらかだよね。
どっちが良いんだろう。
・・・・などと妄想しながら貰った名刺はブログのネタ帳にセロテープで貼り付けて 引き出しの中にそっとしまい、俺は昼飯の準備をするのであった。