新人を育てる、仕事を教える、1人前にする為には
多少時間がかかる…と俺は思う。
仮に作業ミスがあったら、
(しそうになるのを見つけたら)
ミスを起こす可能性、原因を探って
対策を立てるのが普通だ…と思う。
(俺自身も今までそうしてきたし)
しかし、今いる柄波精機(仮称、以下ガラパ)は
今までどうやって新卒や中途採用を育ててきたんだろうか?
俺の教育担当は若ギバ氏なのだが多忙な事もあって
1週間経つとPヤマ(仮名、敬称略)の指示が直接ガンガン来る。
とにかく大声で叫ぶ。叫ぶ。
「ネコタさん!ちょっと来て!」
「一度しか言わないからね!」
ノートを見て作業内容をを確認しながら進めると、
「んもう!もっと早くできないの!」
不慣れな作業で「早くしろ!」・・大声で言われると
ついつい焦って作業の手順が前後する。
Pヤマは隣で大声で叫ぶ。
「なにやってるの?」
「どうしてそんな事するの!」
「んもう!ワタシ前に1回言ってるよね」
言い方もあって正直イラつく。
叫ぶ理由は新人に対してマウントをとる為と、
周囲に対する(自分の立場)アピールなのだな…と思う。
俺の険しい顔を見て察したのか
月ヤマさんが休憩中に声をかけてくれた。
「ここの会社は女性が強いからねw」
「私も怒られっぱなしなんですよ」
今まで黙って携帯を弄っていた青年もはじめて会話に加わってくれた。
「ネコタさんの前の人はひと月、その前の人は1週間で辞めましたよw」
俺だけが特別不快な思いをしている訳ではないのか・・・。
ここは ひとつ頑張りどきだな。
この時まではそう思っていた。
続く