一旦、例の個人用ビデオボックス部屋を後にして帰宅する。
作業手順を考える。
当時はメルカリなど無く、
また時間も限られていたので中古で売る…という発想はなかった。
本来、個人宅から排出されるゴミは「一般ゴミ」だ。
よって市の清掃局に自分で粗大ゴミとして自己搬入すれば料金は安く、行政によって適正処理される。普通ならそうするべきだ。
しかし、VHSのビデオテープがこの本数だ。
ミニバンの後部シートを倒しても積めない。
ハイエースを使っても1回では運べない。
積み下ろし3.4往復する様では積載効率が悪い。
それに例え個人宅からの排出だと言っても清掃局の職員は納得しないだろう。
(小さな店一件分の数量あるし)
もう産業廃棄物として処理した方が早い。
現場仕事をしているので(工事で廃材が出る関係上)
会社で産廃を収集・運搬業する許可は習得済み。
会社の2tトラックには自治体から交付された許可番号が表示してある。
ビデオテープ、プラスチックケース、DVDは「廃プラ類」として産廃工場に搬入するのが良いだろう。適正処分だ。
本来はヤマガタ君の会社をビデオの排出先にして産廃を運ぶ契約書を作らなければならないのだが(加えて産廃工場に搬入する契約書も)
事態は一刻を争う。
ウチの会社からの自社搬入という事にして運ぼう。
処分工場の担当営業氏に連絡して日程の調整など前段取りをしておく。
当日、2tトラックにフレキシブルコンテナ(フレコン)を積んで例のアパートに向かう。
フレコンにVHSテープだけ投げ入れる。
紙製のケースは分別する。これが一番面倒臭い。
フレコンにギッシリ3個分位あっただろうか。
プラケース、その他の硬質プラスチックは別に積む。
処分工場でVHSの入ったフレコンを計量したところ約250kgあった。
(重量だけで見ると大したことなかった)
DVD、PCゲーム全部合わせても300kg未満。
ただ、
紙類の分別がとにかく面倒臭かったし時間もかかった。
(透明なビデオケースの内側に折り込んであるエロいジャケット的なヤツ)
2人で分別、搬出、運搬、荷下ろしで1日(朝8時から夕方4時まで)仕事だった。
(荷下ろしはフォークリフトなので楽だったが)
流石に紙類の処分、廃家電の運搬、家具の分解、処分は翌日に行った。
疲労困ぱいしたが 老経営者の名誉を我々が守ったのだ。
秋風に吹かれながら熱い缶コーヒーを飲む。
達成感に満ちていた。
2019年の現在、
一部を除きエロ動画はスマホ、PCなどネット配信で視聴する時代なので物理メディアの処分に困る事など ない。
(※エロゲームも恐らくDLだろう)
良い時代になったものだ。