2017年8月初旬の朝・・・
M刑務所労役2室の空気は張り詰めていた。
朝の材料入れの時(朝礼の時・・は記憶違いだった)
刑務官が廊下側の窓からハブヤに手の位置を直すように注意するも
ハブヤは無視したのだ。(無視したように見えた)
注意した刑務官は初めて見る「先生」だった。
30代半ば位 小柄で細い体型だ。
小柄な刑務官ほど大声で威圧する傾向にある。
「おい(怒)」といい出した所で
1番兄貴(模範囚・朝は台車で各部屋に材料を運搬)
と、もうひとりの刑務官(先生)を待たせていた事に気づいたらしく
鉄扉を開き 「よし 材料入れぇ」と乱暴に早口で言った。
今週の材料入れは俺だ・・・普段以上に緊張する。
俺「77番出まっす!」
(先日より「ま」強調する事にしている)
材料が入った「折りコン」と作った製品をいれる段ボールを部屋に素早く入れる。
先「安め→気をつけ!→礼!」
俺「2室3名です。作業要件のみの公談 並びに離席の許可をお願いしまっす!」
先「よし」
俺「77番入りまっす!」→正座
先「作業開始っ!」
M先生は「おい!後でまた来るからな(怒)」と去っていった。
ピリついた空気の中無言で労役の作業をする。
30分たたないうちに戻ってきた。
廊下側の窓からハブヤに厳しく声をかける?
「おい!お前ぇ44番!さっき俺の声聞こえなかったの?」
ここでハブヤが まさかまさかの行動に出る。
立ち上がって廊下の鉄格子越しにM先生を睨みつけ
「お前じゃ分からないですよ 私、ハブヤって言うんで名前で言ってください。」
「あぁ!?(怒)」
すぐに昔の携帯電話に似た無線を腰のケースから取り出し
「××から××(忘れた)」と他の刑務官を読んだ。
「連行」だ!
「××から××」何度も呼ぶが応答が無い。
人が居ないらしい。
段々と声が荒くなってくる。
無線のチャンネルを変えて(携帯電話の番号を変えて)更に呼び続ける。
数分してやっと繋がり相手に「センター棟3階2室1名連行」と告げた。
遅れて数分 他の刑務官が3名ほどやってきてハブヤは連れて行かれた。
2室は6月にイワシダとカメイ老人が不正公談で連行されている。
イワシダによると カメイ老人と別々の部屋に入れられ
7名程の刑務官に囲まれて
3.40分もの間「激しい言葉責め」されるらしい。
「メゲない男」イワシダが 半日程 うつ向いていたので
結構なレベルで責められるのだろう。
10時の休憩時間 サギミヤが
「ハブヤさん やっちまいましたね」と口を開いた。
「ウチの担当先生だったら あんなムカつく注意しないのにね」
「昼飯前に戻って来ますかね」
と2人で話した。
休憩後 まもなくM先生が空の台車を押した「1番兄貴」を連れてきた。
「おい!44番の官物、私物全部出せ。もう帰って来ないからな」
と少し興奮気味に言った。
懲罰房に連れて行かれたのだと思った。
そして同時に俺かサギミヤのどちらかが1室に移動するか
1室から誰かが2室に移動してくると思った。
それはそれでチョット(2室的に)問題だな・・・と俺は不安になった。
続く