「全然平気でしたよw」
「懲罰房にも行きませんでしたよw独居でしたけど」
興味津々の俺たち3人を前に
ニヤリ笑うとハブヤは話しだした。
「懲役の人達は注意・連行されると等級(処遇・仮釈)に影響するけど
僕らは罰金の額に応じた労役期間なんで全く関係ないですよw」
「あの (いつもと違う)若いヤツ(刑務官),
自分がナメられたと思ったらしく
中々イキりが治らなくて・・それだけなんですよw」
「連行されると懲罰審査会があるんですけど お盆期間中で刑務所のメンバーが集まらなくて今日まで2階の独居だったんですよ」
「ウチら(3階)の担当や狸(先生)の
相手を納得させる注意と違って あの若い(刑務官)のが口の利き方が 余りにもナメてたんで 僕もカチンときたんですよw」
「ここ(センター棟)の2階 独居に10日間ずっと居ました。狭かったけど トイレは洋式だし 案外快適でした。ただ扇風機が無いから 猛暑の時は死にますねw」
実話誌を読むのが趣味というハブヤは
刑務所に関する知識があったらしく
続けて言った。
「今朝 寮長先生(偉い刑務官)が
連行の時に作成する事情聴取?の書類を持ってきて
僕に読んで指印を押すように…言われたんですが
僕は全然納得がいかなかったので 断ったんですよ。
「この書類に僕の言い分が全然入ってないので
指印押せませんってねw」
「どうせ (労役は)期間が決まっているので
ここでモメても(労役の刑期は)
長くも短くもならなりませんし、
あの程度で懲罰房は無いと分かってました。
独居のトイレは洋式なので 全然平気でしたよ。」
「午前の休憩後に(寮長)先生が
書類に僕の言い分を1行入れてくれて、
それでもう十分だったので指印押しましたw
あとは雑談して終わりですw」
「担当先生の顔色は変わらなかったけど、
絶対に(面倒かけやがって!)て思ってますよねw
ま、仕方がないですよ」
俺は正直大したもんだな…と思った。
「自分が納得がいかない時は
簡単に指印押さないでトコトンやった方が良いんですよ。
僕ら懲役先輩と違いますしねw」
「ただ 独居で人と話さないと 時間が過ぎるのが超長く感じますね。
それと やっぱり人との会話は大事ですよ。
2階の担当先生がたまに話しかけてくれる位で
基本独りですからね。
・・・失語症になるかと思いましたよ。
ここのトイレは和式だけど やっぱり共同房の方がいいですね」
・・・ハブヤは最後に本音を言った。
続く