2017年、7月末 相変わらずM刑務所に収監され労役をしている。
相変わらず作業は単調で 背中、腰、膝は痛い。
換気扇の無い和式トイレはアンモニア臭く不快極まりない。
食事は意外と美味くコレだけは何の不満もない。
夜中、明け方の空腹には慣れたけど やはり辛い。
俺、シラトリ、サギミヤ、そして
ハブヤ(35)が2室の新メンバーとして
M刑務所センター棟3階2室に加わっている(収監されている)
ハブヤは沖縄出身、
傷害で罰金40万の労役80日だ。
金髪で小柄、ちょっとだけアウトローの雰囲気のある若者だけど、
口調穏やかで 礼儀正しい人間だった。
シラトリは東京育ち、
俺とサギミヤは地元、
そして沖縄出身のハブヤで雑談の話題も幅が広がった。
それぞれ地元の話題も一巡すると
「出所後何する?」の話題になってくる。
シラトリは飲酒で免取り(欠格期間2年)なので
他の3人より社会復帰が厳しいと自覚していた。
以前の勤務先(ダンプ屋)で再び運転免許取るまで事務をしたい…と話していた。
原付免許を更新しないまま3年間、運転していて
整備不良をキッカケに検挙されたサギミヤは
「免許とか関係ないっすね。ココを出たら保護課に報告して また生保を再開してもらうだけッス」
「俺ギャンブル依存症だから 自転車で また1パチに行っちゃいますねw」
と笑いながら話していた。
S市の歓楽街(KB町)の最寄駅で酒に酔って喧嘩し
検察で××し「ヨンパチ(48時間拘留)で釈放されると思っていたケド
拘置所に送られて2ヶ月過ごした挙句40万の罰金になった(払えず80日の労役)」
・・・のハブヤは
「僕は川崎にツレが居るので そいつの所に一旦行きます。」と笑顔で話していた。
とりあえずココ(M刑務所)出たら 真っ先に正門前のローソンでコーヒー飲んでタバコ吸いますね!
が全員の一致した意見だった。
留置所で知り合ったヤクザの話、拘置所での話、検察での話、
歓楽街での客引き事情、他の刑務所の話(噂)(ハブヤ談)
ダンプ屋の話、東京のタクシー業界の話 (シラトリ談)
アル中治療で精神病院に入院した話、生保申請の方法(コツ)、
「外」にいたら絶対に聞けない話を色々聞くことが出来た。
話が盛り上がると自然に声も大きくなり、
笑い声もデカくなる。
そろそろヤバイな・・と思っていると案の定
廊下側のガラス窓が開き見回りの若い刑務官(先生)に
「2室!うるさいゾ 高笑いするな」
「2室!昨日も注意されてるよな!」
「こんど騒いだら連行するからな!」
と注意された。
(昨日とは違う刑務官なので日報を見たのだろう)
一旦 廊下を通過した…と安心させて
格子窓の死角から中の様子を伺う「技」を駆使する刑務官もいて
俺達は何度も注意された。
刑務所暮らしはまだまだ続く・・・