野良猫みたいに生きている(プロ

交通違反の罰金が払えず刑務所で労役90日→労役終了後3ヶ月間自立支援ホームで生活→その後色々の備忘録

俺 「秘密の小部屋」の整理依頼を受けた話

「ちょっとお願いがあるんですよ…」

2011年の11月、

携帯越しのヤマガタ君(仮名)の口調は重い。

 

 

ヤマガタ君は(株)ムニャムニャ(仮名)時代の同僚だ。

 

震災をキッカケに退職し、実家が経営する会社で働いているが、

先日お父さんが体調不良で倒れたばかりだ。

 

「詳細は会ってから話します」

お互いの都合の良い日時だけ確認して彼は電話を切った。

 

数日後 俺はヤマガタ君が運転する高級ミニバン助手席の本革シートに座っていた。

 

「入院中のオヤジから内々に頼み事をされちゃって 俺1人では手に負えないのでネコさんに電話したんスよ」

 

真っ白な高級ミニバンはS市 A区の閑静な住宅街を右折左折しながら 低速で進む。

やがて一軒の古いアパートの前に路上駐車した。

 

「ここっすね。まぁ 見てください」

 

狭い階段を2人で上がり アパートの一室に入る。

 

 pcデスクに古いパソコン、小型テレビ、一人用のリクライニングチェア、

 

古い部屋だが不思議と生活感が無いのは台所、風呂場を使用した形跡がないことと、

トイレが綺麗な為だろうか?

 

古い建材の匂いはするが

「人の家にありがちな独特な生活臭」は無い。

 

「コレなんですよ。問題はっ!」

ヤマガタ君が押入れの襖を開く、開く。

クローゼットも隣の部屋に繋がる襖も開く。

 

押入れの本来お布団を置くべき場所、隣部屋、物置スペースに

大量のAV(アダルトビデオ)。ギッシリだ。

 

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半透明なプラスチックケースに収納してあり、

ケースは3段、4段に重ねてある。

 

50本60本のレベルじゃない。

パッと見、目測だが200本以上ある.。

 

VHSテープが大半だが、

DVDは勿論のこと

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パソコンの美少女(アダルト)ゲームまである。

 

パッケージを手にとって動作環境を見るとWindows95/98とある。

 

 

「この部屋は オヤジ専用の秘密の小部屋として使っていたらしいです。俺も今回初めて知りました。会社の名義で契約していたんですけど。」

 

オヤジさん専用の

個室ビデオとしてこの部屋を契約したのか。

まさにプライベート金太郎/花太郎。

 

「オヤジも今回の入院で色々と危機を感じたらしく(中略)

…兎に角、母さんにバレないウチにエロ関係 全て処分するように特命が出た訳ですよ。」

 

「初めてこの部屋に入った時は 驚きました。

因みに、オナホとラブドールは無かったです。

一線は保っててくれた様で流石にホッとしました。」

 

「何か欲しい物あったらあげますよ」

 

ありがたい申し出だが

俺は「エロ」に関しては何より鮮度を優先する男だ。

 

 

残念ながら「おかず」とするには鮮度がかなり落ちている。(90年代モノだし)

 

 

 ま、それはそれとして この本数…

 

「コレでも俺がプラごみとして随分処分したんですよw」

 

「処分費用+手間賃はウチの会社が出します」

「今月中に片付けたいんですよ」

「俺も手伝いますから!」

「…で、作業はいつにしましょう」

 

ヤマガタ君は話を進めてきた。

仕事の依頼だ。有り難い。

 

俺は既に作業の手順と段取りを考えていた。

 

このVHSテープの本数、どこに運ぶ?

何で運ぶ?

このままの運べるのか?

 

今日は一旦帰宅して翌日予定を組む事にした。

 

続く。