俺が心の中で「半ズボン先輩」と読んでいる人物がいる。
ホームレスだ。年齢不詳だが40,50代だろうか。
S駅の正面、廃墟になった地方デパートの入口に住み着いている。
雨傘を2つ広げて簡易的な目隠しにして
座ったり、寝たり、気ままに過ごしている。
廃墟とはいえ100万都市の一等地なので
朝に夕に通行人や観光客からジロジロ見られているけど 本人はどこ吹く風だ。
本人は見ていないだろうが ツイッターでも割と書き込みがされている。
以前は地下通路の凹みに住み着いていたが JRの管轄だった為に 追い出されてしまったのだ。
(同様に この街の路上先輩たちの仮眠場所になっている使われていない噴水も
市役所によって封鎖されてしまった。)
半ズボン先輩とは直接話こそ無いが、
2017年の厚生緊急保護でお世話になった生活困窮者支援団体の主催する地域清掃ボランティアで何回か一緒になっている。
古参の困窮先輩らと会話しているのを見たことがある。
クセのある口調で会話は噛み合っていない様に見えたが
とりあえず口調はハッキリしていた。
支援団体とパイプはあるので 本人が申し出さえすれば 自立支援ホームに入居も可能だし、
更に望めば生活保護の申請もできるだろうが 何故に路上に拘るのだろう?
或いは かつて 支援ホームにいた事があるのかも知れない。
ホームは門限があり、飲酒も厳禁だ。
ホーム内のルールもある。
※↑俺が厚生緊急保護で入居させてもらった時に渡された施設内ルール。
先輩は共同生活が苦手なのかも知れない。
団体の職員さん達も支援しようとしているのだろうが、ソコはあくまで本人の自由意思なのだ。
駅の真ん前に位置するこの廃墟は 歓楽街から離れているので ガラの悪い酔っぱらい達が襲ってくることもない。
まぁ安全だろう。
猛暑、酷暑は乗り切った。
あと2ヶ月くらいは過ごしやすい時期だ。
今夜も廃墟ビルの入口で眠る半ズボン先輩はどんな夢を見るのだろう?
※台風19号の暴風雨が過ぎ去った10/13から半ズボン先輩の姿を見かけなくなった。
組織に保護されて無事に過ごしていれば良いのだが。
※2019.11.4 また同じ場所に戻った半ズボン先輩を確認。
無事で良かった…と安心する反面、
これから寒くなるけど大丈夫なのかよ…
と要らぬ心配。
※2021年8月30日追記
半ズボン先輩はまだこの廃デパートの軒先に住み着いている。
今年の夏も何とか乗り切ったらしい。
無事で何より。