5月末日、呼出状に記載されていた朝9時ちょうどに検察ビルに着いた。
事前に電話で確認したが必要なものは
呼出状、
労役終了後の交通費(刑務所から自宅まで)
だけで良いとの事だった。
※一応、¥1.000だけ持参した。
1階受付で警備員に氏名を告げると5階・会計課に行くよう指示される。
会計課の黒いシャツに黒いズボンの女性事務員に呼出状を渡すと
エレベーター前にある待合室で待機せよとの事。
ため息をついてベンチに座り
待つ・・・。待つ・・・待つ・・・・・。
2時間過ぎても誰も来ない・・・
2時間半が過ぎても誰も来ない・・・
「おい!一人なんだろ!早く連れて行けよ!」
怒鳴る声が聞こえる。
「もう一名 間もなく来ますので!」
誰か知らんけど遅刻か
けしからんな。
正午過ぎに初老の男性2名がようやく迎えに来た。
「お待たせ じゃ行こうか」
エレベーターでB1に降りると地下駐車場には既に銀色の日産ミニバンが待機していた。
(たしかセレナだった気がする)
車両横で待つよう指示されて待っていると 5分過ぎたあたりで
手錠に腰縄をされた眼鏡の青年が職員に連れられてきた。
青年をミニバン3列目の右端に座らせ隣に若い職員が座り、
2列目シートに職員2名が俺を左右に挟んで両脇に座る。
ニュースで犯罪者が移送される際に写る
あの位置に今、俺は座っている!
と思うと何だか不思議な気分になった。
「もしも報道陣が出待ちしていて写真を撮られたらどうしよう(震」
心配したが、
駐車場の出口には誰一人として居なかった。
車が走り出して数分後 職員が思い出したかのように
「決まりだから手錠するね」
と優しく言うと俺の手に艶消しオリーブグリーンのワッパ(手錠)を緩くかけた。
(もちろん緩いとはいえ外れない)
S拘置所・M刑務所は街の中心部、検察ビルから車で15分位の場所に位置する。
閑静な住宅街の中にあり施設の隣には小学校もある。
近代的な施設の正門を通過し古くて高い塀を見る。
色褪せた赤レンガのアーチについている鉄扉をくぐった瞬間
急に怖くなってきた。
(追記…写真は2018年11月に開催された矯正展の時に撮影しました。)
職員の指示で車を下りる。腰縄をつけられる。
いよいよ施設内に入る。
ロッカールームの様な部屋に連れて行かれる。
薄い色のロッカー(?)にはそれぞれ番号が書いてある。
既に刑務所の職員たちが数人待っていた。
検察の職員とは様子が異なる人間。
現場というか最前線って雰囲気がする。
両手の親指をズボンに引っ掛けてる人もいる。
もう目つきが違う。
検察職員は我々2名を引き渡すと敬礼をしてソソクサと帰っていった。
心細い・・・
続く ↓
※追記
最近知って読んだ「私の広瀬川インタビュー」で
「ジョジョの奇妙な冒険」作者 荒木飛呂彦先生が幼少の頃
M刑務所の傍に住んでいた旨の記事があって
奇妙な親近感を勝手に感じました。
※追記2
2015年に番組の収録でタモリさんも訪れたそうです(知らなかった)