勤務初日は念のために30分早く出勤して
7時20分に工場に着いた。(8時15分始業)
車の駐車位置は前もって庶務の方に聞いていたので 問題なかった。
※俺をこの工場に紹介してくれた地元の社長さんが
古い軽自動車を貸してくれたのだ。
車の中で10分ほど呼吸を整えて工場内に入る。
俺の名前のタイムカードはすでに用意されていたので打刻。
事務所に入る。
既に出社して工場のPC端末を見ている30代後半位の天パの社員に挨拶して
名前を告げると天パ氏は
「空いている椅子に座って待ってて下さい」
モニターを見たまま早口で言った。
始業10分前にぞろぞろと社員達が出勤してきたので一人一人に挨拶するが
関心なさそうに返事するだけなので不安になる。
やがて「おはようございます。ネコタさんスね」
低い声で若い小柄な男が声をかけてきた。
「↑1班、班長のAザワ(仮名)です。よろしくお願いします」
この工場でやっと自分の存在を認知されて安心した。
その後、朝礼を行い(班ごと)
Aザワ氏と一緒に各班の班長、工場の管理職に挨拶をして周り、
工場で作っている製品と工程の簡単な説明を受けた。
「ネコタさんは工場で働いた経験はありますか?」の問いには
「はい初めてです。」
「ユニック、フォークリフトを使う会社で配送の仕事をしていました。」
と無難に答えておいた。
(実際は新卒時7年ほどT芝系の工場勤務経験あり)
そこでKYT(危険予知訓練)、5S(整理、整頓、清掃、清潔、躾)の
ザックリとした説明を受けたのでノートに記入しながら再勉強した。
KYTの勉強はン十年ぶりなので忘れていたことが多かった。
Aザワ氏は低い声でゆっくりと説明してくれる。
非常に分かりやすい。おそらく管理者教育も受けているのだろう。
10時の休憩オルゴールが鳴り、氏と雑談していると
「今日から入った人(ひど)?」と背後から女性の大声がしたので
挨拶しようと振り返ると初老の女性が段ボール箱を両手で抱え立っていた。
「ピットブル」だと思った。
これが後々 俺のストレスになる「KSBBA」ことPヤマ(敬称略)との出会いだった。
(↑第1印象は確かにピットブルだった)
続く